ある日のこと鈴木建設の鈴木会長の所に潰れかけた会社の社長が私の会社を吸収合併してくれないかと、鈴木建設のもとで会社を建て直したいというのだが鈴木会長はもちろん断る。
しかし、その会社の社長は頼み込む。
社長「私はあなたの人柄は知っています、あなたの企業グループの傘下として、もう一度この 会社を建て直したいのです。」
鈴木会長「あなたの熱意は分かりますが。私の会社は建設会社でして、まったく畑違いの会社を 傘下にしても、うちの会社に利益があるかどうか」
と二の足を踏む。
社長「このままでは私の会社は終わりです。なんとかわが社を助けて下さい、従業員2000人は路頭に迷ってしまいます。」
鈴木会長「従業員2000人とはあなたの会社はどういう会社で、なにを作られているのですか?」
と鈴木会長は初めて、その社長に聞いた。
社長「わが社は創業以来260年続いた福餅は鈴木会長の援助がなければ、倒産してしまいます鈴木建設の出資で完全子会社で乗り切らないとわが社は終わりです。」そう福餅の社長は涙ながらに訴えた。
鈴木会長「なぜ、わが社ではなく同業他社にこの話をもちこまないのです。そのほうがうちのような異業種の会社に、この話を持ち込まれるのかそこが私には理解しかねるところです。」と鈴木会長は福餅の社長に聞いた。
社長「あなたが熊本で講演されたのを私は聴きました、私はおなじ経営者としてあなたのことを尊敬しています。それに同業のライバル会社の経営者は私とはうまが合いません。それにその経営手法も金儲け主義で品質を落としてもいかに利益をたくさん上げることしか頭にない拝金主義者
でうちの会社を狙っているんです。
あんな拝金主義者にこの伝統ある福餅を譲り渡すくらいなら廃業したほうがましです。あんな男に福餅を取られたらご先祖様に、申し訳がたちません!!
そのに引き換え、あなたなら私ども福餅の伝統を認めて下さるものと確信しています。あなたこそわが福餅の救世主だと私は確信しているのです。」そう福餅の社長は、そう熱弁した。
そう言われて鈴木会長は考えた「この人は本当に困っている。それに従業員のことを考えている。
この人を助けれられるのは私しかいないのなら助けてあげるべきだろう」と決意した。
そして鈴木会長は福餅の社長にこういった。「鈴木建設が援助するとしてどういうふうに完全子会社化するのですか」と福餅の社長に聞いた。
福餅の社長は「わが社は増資します。その増資分を鈴木建設のほうで引き受けてもらえますか?」と福餅の社長は鈴木会長に聞いた。「わかりました、それでどれくらいの資金が必要ですか」と鈴木会長は福餅の社長に聞いた。福餅の社長は「20億くらいですが、どうでしょうか?」と鈴木会長に聞いた「わかりましたわが社で引き受けましょう」と鈴木会長は、そう言って福餅の社長と固く握手した。こういう経緯で、鈴木建設による熊本の銘菓である、福餅の完全子会社化が行われることになった。
読者の中には従業員2000人の大会社がたった20億で完全子会社化されるのを不思議だと思う人も多いだろうがそれにはこういう訳があったのである。創業260年の老舗の大会社だが、ライバル会社の新興会社である阿久井堂の安値攻勢にさらされていたのである。
福餅が創業以来の伝統を守り秘伝の製法を続けるために原料を厳選して国内産のもち米や小豆にこだわって作っているのに対し阿久井堂は安い海外産のもち米や小豆を使っているから、福餅よりかはるかに安価で作れるのでどんどん阿久井堂に国内シェアを奪われてしまうので経営が苦しくなっていくのであった。
その上リーマン・ブラザーズの倒産による、世界同時不況とデフレスパイラルによる過酷な値下げ競争と、消費者の安価な商品にシフトする消費者志向とによって。どんどん顧客がどんどん阿久井堂に奪われていくのであった。
昔から福餅をひいきにしてくれる顧客もたくさんいるのだが、この頃の若者は安い阿久井堂の菓子のほうに若い者はいいものと安かろう悪かろうの違いが分からないから、消費志向はどんどん流れてしまうのであった。
本当に今の消費者はリーマン・ブラザーズの起こした世界同時不況やそれによる。大企業による派遣切りやネットカフェ難民の増加や賃金カットによって消費者の消費はどんどん冷え込み暮らしに直接に必要でないものはどんどん減っていく。
これも、小泉純一郎と竹中平蔵とがタッグを組んでおこなった構造改革の影響である。小泉純一郎と竹中平蔵がおこなった構造改革は構造改悪になってしまっている。
郵便事業改革は限界集落にもあった、郵便局を廃止してしまい地方のお年寄りの生活を不便なものにしている。自民党の人間が改革に逆行しているというが、改革が改悪になっているのだから元にもどすのが当然だろう。
人材派遣法も製造業にまでにも人を派遣できるようにしたために今の労働環境を作りだした。これも改正前に戻すのが当然だろう。
小泉純一郎と竹中平蔵は国民に悪法を残しただけだ!!あんなのは改革とはお世辞にもいえない!!
まあ、こんな難しい事は置いておいて話を元に戻す。とにかく福餅の良いところを良く知っている高齢者は年金暮らしで生活が苦しいから福餅を買いたくてもないという状況で福餅の市場でのシェアは年々下がるいっぽうで鈴木建設の鈴木会長の所に来たというわけだ。
鈴木会長はよく熟慮したうえで、鈴木会長は快く引き受けた。しかし、その日の晩に子会社に正式になる福餅の子会社の社長の人選に頭を抱えてしまった。
鈴木建設の重役を一人ひとり頭に浮かべて、こいつは能力があるが人望がない。またこの男は性格が駄目だしと一人ひとり、頭に浮かべた結果は重役には福餅の社長になれる人物がいないことがわかった。
そして、鈴木会長はよくよく今度は社員の中から人選をしていって、ひとりだけ見つけたその人物こそ営業第3課の浜崎伝助(通称浜ちゃん)だったのです。鈴木会長は社長時代に食堂で出会っていらい鈴木社長(通称スーさん)の名コンビで釣り仲間だったのです。
浜ちゃんは人柄もよく人望もあるのですが、仕事よりも釣りが好きで出世なんかしたくもないという人物で親戚や兄弟を死んだことにして、葬式に出ていることにして、仕事をさぼって釣りにいっていることがばれて懲罰委員会や査問委員会に掛けられて何度も懲戒解雇のピンチを迎えた超問題児だったのです。
鈴木会長はいろいろなことを考えてこの浜ちゃんをこの福餅の社長に大抜擢することにした。理由は2つある。福餅を完全子会社化するとはいえ鈴木会長と福餅の社長は対等な合併と言う意識だから人格のない人物を送って福餅の社員に吸収合併されるんだと意識をもたれるのも困るし、浜ちゃんは人をぱっと明るくさせる明るい性格だから不況に苦しんで明日はどうなるかと思っている福餅の社員を安心させることにもつながる。
この人選以外にほかにない!!鈴木会長はこう決めたものの鈴木会長は重役会を乗り切る自身はあるが、それよりか問題はあの浜ちゃんを説得するほうに困難を覚えるのだった。
鈴木会長も福餅の社長も今のような弱肉強食の考え方ではなく、少し古くなってしまったが、日本株式会社と言われた従業員で終身雇用をむねとした日本独特の雇用体制をとっている。
だからこそ福餅の社長は経営が苦しくなっていくのである。
そして、いつものように鈴木会長(以下スーさんと呼び捨てにする)、浜崎伝助(以後浜ちゃんと呼び捨てにする)スーさんは浜ちゃんのを訪ねていくのだが今日はスーさんは気が重たかった。あの超自由人の浜ちゃんをいかにして福餅の社長に就任するように説得するかそれが問題だ!!
あの超自由人の浜ちゃんを福餅の社長になるように説得するか、考えながら浜ちゃんの家にす
ーさんは浜ちゃんの家に向かう道すがら、あの方法にするか、それともこの方法にするか、それともこの方法にするかいろいろな説得法をああでもない、こうでもないと取捨選択しながら浜ちゃんの家に向かっていった。
まず、会社の社長になったらどんなに自由かということから説得を始めることにして、それから次は君は望まれて福餅の社長になるんだからこれは浜ちゃんにとって幸福なことだと言い、それから熊本で釣れる魚の話へ持っていくという三段階の説得法を取る事にことにして浜ちゃんの家の玄関
のブザーを鳴らした。
浜ちゃん「スーさんよく来てくれたねー今日はどうしたの深刻な顔してまた会社でなにか嫌なことでもあったの」
ミチ子さん「スーさん私たちの仲じゃない遠慮せずに言ってみて、それで気が晴れるなら言ってみて」
浜ちゃん「スーさんと俺の仲じゃないの遠慮なく言ってみて」
スーさん「別に仕事で嫌な思いをした訳じゃないんだ、今日は浜ちゃんに折り入って頼みがあってここに来たんだ、僕の頼みを聞いてくれないか」とスーさんは、浜ちゃんに話を切り出した。
浜ちゃんも、まさか自分が福餅の社長に招聘されるとは思ってもいないから二つ返事で、おれとスーさんの仲じゃないかスーさんの頼みなら、どんなことでも俺のできることならスーさんの頼みを聞いてあげるよと、簡単に引き受けてしまった。
スーさん「男に二言はないよねどんなことでも頼みを聞いてくれるよね。」とスーさんは念を押した。
浜ちゃん「俺のできることなら何でも言ってくれよ、何でもやってあげるよ」と気楽に言ってしまった。
これが、浜ちゃんの運の尽きということになってしまった。
超自由人の浜ちゃんが福餅の社長に就任することが決まった瞬間だった。そんな羽目に陥るとは夢にも思っていない浜ちゃんは呑気にしていた。
意を決したスーさんは、浜ちゃんに福餅の社長に就任してくれるように要請することにした。
スーさん「実は浜ちゃんに熊本にある。和菓子屋の福餅の社長に就任してもらいたいと思ってね。
正式には重役会を通してのことになるんだが僕と浜ちゃんの間でまず合意しておきたいと思って今日は来たんだよ、お願いだ福餅の社長に就任してくれないか」とスーさんは浜ちゃんに、こう切り出した。
浜ちゃんは、余りにも突然でしかも思いも掛けない福餅の社長への就任という本当に唐突にとんでもないことを、浜ちゃんは動揺してしまった。そりゃ、無理もないことだろう。浜ちゃんはスーさんと福餅の社長との話し合いのことも、何にも聞かされていないんだから、浜ちゃんにとってはことわざで言うひょうたんからこま、驚天動地というところだろうか。
超自由人の浜ちゃんにとっては係長や課長でも仕事に追われて自分の好きな釣りができなくなると思っているのに、まして社長なんか仕事漬けの毎日で好きな釣りを毎日やることが出来なくなってしまう、とんでもないことだ!!絶対に嫌だ何がなんでも拒否しようと思って浜ちゃんは切り出した。
浜ちゃん「スーさん俺のことをよく分かっているよね俺は仕事の犠牲になって好きな釣りが出来ないのが耐えられないだ!!係長や課長でも接待ゴルフや夜の酒の接待なんかで好きな釣りが出来なくなるし、鯉太郎やみち子さんとも一緒に過ごす時間がなくなってしまうじゃないか!!こんな話はもう2度としないでくれよスーさん俺は社長の器じゃないよ、ほかにも部長がうじゃうじゃいるじゃないか!!なんで俺なんだよ」と浜ちゃんはスーさんに言った。
そこでスーさんはこう言った「さっき俺のできることなら何度もいったよね。私も本当に困っているんだ福餅の社長は素晴らしい人なんだ、その人の会社がライバル会社に潰されようとしているんだ!!このまま私がいや鈴木建設が手を差し伸べなければこの福餅はライバル会社の阿久井堂に乗っ取られるんだよ、これは人助けなんだよ、それに浜ちゃんは言ったよね。俺のできることならなんでも、やってくれるといったよね。だからこうして今日は、こうして頼みに来ているんだ!!頼むから、この話を受けてくれないか、浜ちゃんの人柄を見込んで頼んでるんだ!!たしかに鈴木建設に確かに部長はたくさんいることはいるが、人望がなくてとても福餅の社長にするわけにはいかない。
完全子会社化するとは言っても、私は福餅の社長は完全に対等な合併だと思っている。
そんな所に人望のない部長なんか鈴木建設から送り込んだら、鈴木建設に乗っ取られると福餅の社員が勘違いするじゃないかだから、人望がない部長を福餅に送り込んだら何もかもおしまいになってしまう。
浜ちゃんのように人格者が必要なんだ、浜ちゃんは社長というものは常に仕事をし続けるものだと思っているようだが、それは間違いだよ、社長になれば遅刻すると言って急いで会社に出勤する必要はない、自分の好きな時間に行ってもいいし、会社を休んで釣りにいっても懲罰委員会や査問委員会に怯える必要もないし、堂々と釣りに行っても誰にも、文句を言われることなくもなく好きな釣りをやれるじゃないか!!これは社員では絶対に味わうことができない社長だけの特権だよ。
それに、浜ちゃんに経営者になれと言っているんじゃないんだ会社の経営は福餅の社長が副社長になって全部いや、すべてといってもいいほどやってくれる。
浜ちゃんは営業3課の時のように取引先の社長と親交を深めたり釣り談義をしようが、浜ちゃんの自由だ、そういうことは浜ちゃんは得意だろう営業第3課でやってきたことをやるだけでいいんだ!!」
これだけでは説得できないと考えたスーさんは奥の手を出すことにした、浜ちゃんの大好きな釣りの話で浜ちゃんを釣ってこれで説得することにして、こう切り出した。
スーさん「ところで話は変わるんだけど熊本ではどんな魚が釣れるのかなそれが知りたいんだけど浜ちゃん知っているかな。」
浜ちゃん「そりゃ知ってるよ、エイでしょワラスボでしょウナギにボラにハゼにハダラにグチにセイゴそりゃ有明海は魚の宝庫だよ、釣りバカの聖地といってもいい所だよと言った」
スーさんはこれは乗ってきたと思って。ますます話をこちらのペースになって来たと内心はホクホクしてますます自分のペースに浜ちゃんを巻き込むようにいろいろなことを考えてこういう話で行こうと決めてこう話しを切り出した。
スーさん「浜ちゃん有明海で釣りをしてみないかい。福餅の社長の社長も浜ちゃんのことを話したらぜひ浜ちゃんに釣りの師匠になって欲しいとこう言ってるだよ。ミチコさんと鯉太郎君も一緒に熊本に行ってみないかい」
浜ちゃん「そりゃ俺も行きたいよでも俺の有給は全部、使い果たしてるし、行きたいけど行けないよ残念だなー、本当に残念でしかたないよ」
スーさん「だから社長になったほうが徳なんだよ。だれにも気兼ねなく好きなことを好きなだけできるんだよ。まあそのことはいいや、ぼくが、浜ちゃんを出張に連れて行くとでも行って置くよ。いつも浜ちゃんばっかり、いつも旅行してミチコさんと鯉太郎くんはいつもほったらかしじゃないか、こういう機会に家族サービスもしておく必要があるんじゃないかい、会社のことなら大丈夫だよ。
私は会長だよ、人事部長にひとこと言っておくから一切、気にすることはない。善は急げということわざもあることだし、明日から一週間ぐらいはたっぷり福餅の社長と3人で釣り三昧と行こうじゃないか、ミチコさんは福餅の社長の奥さんか娘さんにでも熊本の観光に連れて行ってもらえばいいじゃないか、浜ちゃんを福餅の社長に引き合わせたいし、これこそ一石三鳥というものだよ。
浜ちゃんは明日は会社を休んでミチコさんと鯉太郎くんと家族3人の旅行の荷物でも準備していればいい、スーツケースなら私のを貸してあげよう、いっぱい家にあるからね明日の朝に会社に行く前にスーツケースを持って来てあげるよ。
そうだ、忘れる所だった。ミチコさんにも返事を聞いてなかったですね。すいませんでした、ミチコさんの意見はどうですか?これは、浜ちゃんだけではなくミチコさんや鯉太郎君にもかかわる大事なことだから家族でよく相談しなくちゃいけません。」
スーさん「ミチコさんの意見はどうですか?これはとてもいい話だと私は思うんですがミチコさんはどう思われますかぜひミチコさんの思われることを聞かせてくだいませんか。」
ミチコさん「スーさん、ちょっと聞きたいんだけど、本当に浜ちゃんを福餅の社長にする気なの本気なのかどうか、私にはあまりにも、急でまるで信じられないんだけど。」
スーさん「突然ですいませんね.。ミチコさん私はいたって本気です。福餅の社長になれるのは、浜ちゃんしかいないと思っています。鈴木建設で福餅の社長になれるのは浜ちゃんだけです。福餅の社長は従業員と会社と創業260年以上続いた伝統を守りたいだけなんです。
私はその真摯な態度と、その人間性に感じ入ったから鈴木建設としてではなく、鈴木一の助と福餅の社長さんの加藤雅喜という人の人間同士の信頼関係に成り立った契約としての関係としての付き合いで福餅の救済に乗り出したわけです。
だからこそ、人格のない、また人望のない幹部を福餅に送り込むわけにはいかないんです。」
ミチコさん「それで福餅て、どれくらいの従業員がいるのかしら、それをスーさんにそれを聞きたいんだけど」ミチコさんは吸収合併されんだから、大していないだろう、よくても100人から200人まあ500人ぐらいだと思っていたからスーさんの次の答えを聞いてびっくりした。
スーさん「ざっと数えて従業員の人数は、本当にざっと数えて本社だけで2000人くらいそのほかに熊本や九州一円のデパートに派遣されている社員を加えて、それに子会社の社員を合わせると3000人くらいでしょうか?」
この従業員の人数を聞いて浜ちゃんとミチコさんは驚いて、しばらくは言葉も失って茫然自失
状態に陥った。そりゃまあそれも当然だろう、浜ちゃんもミチコさんは吸収合併して完全子会社化されるのだからせいぜい中小企業だと思っていたのにそれが本社だけで2000人でデパートに派遣されている社員や子会社も含めて3000人の従業員を抱える大会社の社長に浜ちゃんを就任させようというのだから、浜ちゃんで大丈夫だとか思うのも当然じゃないだろうか!!
暫くの間は一同は声も出さずに静かなままだった。その沈黙を破ったのはミチコさんだった。
ミチコさん「スーさん本気なの本当に浜ちゃんでいいの浜ちゃんがそんな大会社の社長さんが務まると思ってるの!!従業員3000人といったら大企業じゃないの、とても正気の沙汰とはおもえないわ、鈴木建設と同じくらいの事業規模じゃないの,そんな大会社の社長なんか無理に決まっているわ!!」
スーさん「ミチコさんのおっしゃることはもっともです、別に浜ちゃんに経営をやって貰おうというわけじゃないんです。経営はぜんぶ福餅の社長に任せてもらえばかまわないないです。浜ちゃんにして貰らうとしているのは、そんなことではないのです。
浜ちゃんは鈴木建設の社員にも人気があるし、取引先でも友達が多いしこういう人が社長の資質なんです。人望がない社長には社員は喜んで付いて来ません。そういう会社は、遅かれ、早かれ潰れるか売り上げが伸び悩むかです。
上杉謙信公も言っているじゃないですか、リーダーの条件は「天の時、地の利、人の和」だとね。浜ちゃんには第3の要素の人の和を生まれてつき、持っているんです。この要素は誰でも持っているものじゃありません。まさに生まれつきに備えているもので、その人の天性なんです。
残念ながら、鈴木建設の幹部にはその天性を持っているものは、ひとりもおりません。そりゃ仕事をやらしたら、そつなくこなして仕事にミスがなく仕事は浜ちゃんの何倍もできるでしょう。
しかし、どの幹部も残念ながらうちの会社の幹部にはとてもじゃないが、社長にできるものは、ひとりもおりません、甥に期待したんですが浜ちゃんとミチコさんもよく知っているようにプロレス評論家になってしまいました。
まして、対等なパートナーとして手を携えていく福餅の社長なんかに、鈴木建設の幹部みたいに人格も人望もない人間を福餅の社長に就任させるわけにはいかないんです。」
スーさんは福餅の社長が鈴木建設の会長室に訪ねて来て福餅を救って下さいと、頼みに来たことからライバル会社の阿久井堂にシェア(市場で占めている自社の製品の率)が阿久井堂がどんどんシェアを上げていき、福餅がどんどんシェアが下げていってもう、どうしようもなくなってなって福餅の社長が鈴木建設に援助を求めにきた次第と自分が援助できるならどんな努力でもやってあげたいと思って、出来うる限りの援助をしようと決意したことを、すべて浜ちゃんとミチコさんにすべて、語った。
それからスーさんは言った「こういう経緯で鈴木建設は福餅を全面的に援助することにしたんです。
そのためにも、浜ちゃんに社長に就任してもらいたいんですが、この際こうしましょう。社長就任のことは抜きにしてただ熊本に旅行して浜ちゃんと私と福餅の社長は釣り三昧でミチコさんと鯉太郎くんは福餅の社長夫人と熊本観光というのはどうでしょうか?もちろん全ての費用と飛行機と新幹線の手配も全部、私と鈴木建設がやります。浜ちゃんは有明海で釣り三昧、ミチコさんと鯉太郎くんは熊本観光というのはどうでしょうか?浜ちゃんの社長就任という話は抜きにして、ただの釣りと
観光というのは、どうでしょう。これなら受けてくださいますよね?」
浜ちゃん「そりゃ有明海で釣り三昧しかも鈴木建設の金でなんてたまらないよ!!その話に乗った」
ミチコさん「本当に鈴木建設のお金で熊本旅行さしてくれるの?なら私も賛成するわ」
スーさん「もちろんです、わたしはこれでも鈴木建設の会長ですよそんなことくらい簡単なことです。
まず、福餅の社長に合ってくれたらどんなにすばらし人だとすぐに納得してくれると思います。
まあ、こんなことは抜きにして明後日は男性陣は釣り三昧、女性陣は熊本観光と行きますか、これで決まりですね?」
浜ちゃん「異議なし明後日を楽しみにしてるよ、スーさん、楽しみだなーまってろよ有明海のお魚ちゃん」
ミチコさん「私も楽しみにしているわ」
スーさん「はあーやっと承知してくれて私もほっとしました。これからは難しいことは抜きにして釣りのことでも話しましょう。」
これでスーさんはやっと浜ちゃんとミチコさんを説得することが出来てほっと胸をなでおろした。その晩はもう福餅の社長に就任することなど忘れて有明海の魚の話とミチコさんは明後日にせまった、熊本旅行の話でその夜は更けていくのであった。
これで第1章は終わりで次の第2章は熊本の有明海でのスーさんと浜ちゃんと加藤雅義と言う創業260年の福餅の社長とその家族との、ある種は感動的なある種はユーモラスで楽しい出会いのことは第2章でまた、たっぷりと紹介するので第2章をぜひおまちあれ。
選抜高校野球大会第7目もすべて応援したチームが勝った。
こんなことが何回も起こるとは夢にも思わなかった。
第1試合は宮崎工業の浜田投手と広陵の有原の投手戦になった。今大会でも最高の投手戦ではないだろうか!!
両投手、一歩も譲らずの投げ合いが9回まで続いたが9回裏に広陵高校が無死満塁のチャンスを作って三田選手のサヨナラタイムリーヒットでサヨナラ勝ちした試合だった。
宮崎代表のチームは日南学園以外は好きでも嫌いでもないので広陵を応援した。
この試合は宮崎工業のペースではなかっただろうか?
強打の広陵打線を1点でおさえたのだから広陵高校もチャンスもあったがピンチも多くあった。しかし最終回の無死満塁のチャンスをものにしたのは、さすがに広陵高校だと思う。
第2試合は中京大中京と神港学園の70年以上の歴史がある伝統校同士の対決だ。
期待に違わぬ好試合だった。まず3回の表の中京大中京の攻撃で神港学園のエラーで1点を取ったが3回の裏にすかさず神港学園の横川選手のタイムリーツーベースで同点に追いついた。
そして、7回に一死一、三塁のチャンスに中京大中京高校が1点を取って勝った。さすがに伝統校同士らしい素晴らしい試合だった。3-2で中京大中京高校が勝ったがどちらが勝つか本当に勝つか紙一重の試合だった。
この試合はどちらが勝ってもよかったから、どちらのチームを応援しようかと迷ったが中京大中京高校は夏・春連覇がかかっているから中京大中京高校を応援した。
さて、第3試合だが沖縄の興南と智弁和歌山の試合だ、この試合は興南高校が7-2で圧勝した。
もう大会のスコアもネットで調べられないから、その試合経過も、もう覚えていないがとにかく興南が島袋投手の好投で智弁和歌山を2点に抑えて興南打線が7点も取って智弁和歌山を撃破だ!!大嫌いな智弁和歌山がぼろ負けして嬉しくて嬉しくてしょうがない!!去年の夏には19奪三振を奪いながら味方打線の援護がなくて負けてしまった、同じチームとは思えない。
秋の新チームになってからもベスト8どまりだったがひと冬越して、かなり打線も力強くなったようだ、かなり、冬の間に個々の選手たちの努力があったのだろう。
この日も嬉しいことに応援したチームが全て勝った。特に大嫌いな智弁和歌山が負けたのが嬉しい最高の気分だ。こんな日があっていいのだろうか本当に信じられないほど最高な一日だった。
3月28日の日曜日に甲子園球場まで春の選抜高校野球の応援しに観戦しに行ってきた。
本当に最高な一日だった。
今までに観戦しにいったことは何回もあるが、こんなに完璧に応援したチームが勝ったことは初めてだ。
今までは1チームくらいは必ず負けていることが多かったのに応援したチームが完全に勝ったのは生まれて初めてだ。
まず、第一試合は秋田商業と北照高校の北国のチーム同士の対決になった。
この試合はどちらも好きなチームだったからどちらが勝ってもよかったのだが秋田商業はベスト4にも勝ち上がっているのに対し北照は一度も甲子園で勝ったことがないから北照高校を応援した。
試合は北照高校がタイムリーヒットの1点と又野投手のホームランの2点を守りきって秋田商業に勝った。
第2試合は敦賀気比がヒットを続けて3回に3点取って5回に追加点を3点取って試合を有利に進めたが花咲徳栄が6回とに3点と8回に2点取って追い上げたが9回に敦賀気比が9回に1点を取って逃げることができた試合だった。
この試合も、どちらも好きなチーム同士の試合だからどちらが勝っても良かったが、ただ第2試合の前にかまどや甲子園店が大量の弁当の注文で11時30分まで休店していたせいで昼ごはんを食べていなかったから花咲徳栄が9回に反撃しているときに花咲徳栄には悪いが同点に追いついて延長になったらどうしよう、このままじゃ何時に昼ごはんが食べられるか分からないから、ここであきらめて負けてくれと祈ってしまった。ほんとに花咲徳栄には悪いことをした。
第3試合は日大三高が和歌山の向陽高校に2回に2点と5回に1点をヒットを重ねて点を取り
向陽高校が4回に1点を取り3-1で日大三高が勝った試合だった。これも最初はどちらが勝ってもよかったのだが、応援団の数が余りにも違いすぎたので向陽高校の大応援団に比べて日大三高の応援団の数が余りにも少なかったのでこれでは不公平じゃないかと日大三高のほうを応援してしまった。まるで敵地で戦うサッカーの日本代表のように日大三高が見えたのも大きく影響していたのだろう。
しかし、この日は応援したチームが全部すべて勝った珍しくて超最高な一日だった。
こんな日はまずめったにない日だろう。
開会式の直後の第1試合から敦賀気比が、僕があまり好きではない天理を撃破した。
前半に天理が3点を取った時には、いつもの通りに天理が勝つのかと思っていたら前半に1点を返して5回に敦賀気比の打線が爆発し、一気に5点を取って大逆転!その後にも着実に加点していって天理を撃破した。
敦賀気比が勝てるとは思ってもいなかっただけにもう嬉しくてしょうがない!!
まさか天理が負けるとは思ってもいなかったので、やはり野球でも何でもスポーツはやってみなければ結果は分からないものであるという典型的な例だろう。
第2試合は今大会に2校選出されている沖縄県の高校のうちの一校の嘉手納高校と花咲徳栄との試合だった。花咲徳栄が早い回から得点して7回にも2点を取って試合を決めた。
中学生の時に全国制覇したことのある嘉手納高校のバッテリーは前評判どうりの力は出していなかったようだ。
80パーセントを米軍基地に取られて条件の悪い町から出て来て秋季大会の九州チャンピオンにまでなったチームなんだからこの春の敗戦を生かして欲しいと思う。
バッテリーはいいんだからあとは打線の援護が欲しい。相手の五明投手が完璧な投球をしていたのは確かだがもう少し打線に奮起して欲しい。打線がもっと良くなったら夏も狙えるかもしれない。まあ、あの島袋投手と戦わなければならないから大変だろうけど。
第3試合は21世紀枠で春夏初めての初出場の山形中央高校と春の優勝経験もある日大三校との試合だった。
この試合は日大三校の圧勝に終わった。
初回に山形中央が2点取っていい試合になるかと思ったが、日大三校は初回こそ0点に抑えられたものの2回には連続長打ですぐに同点に追いつき、3回にはツーランであっさり逆転して5回に山形中央が同点にするとその裏にすぐに長打でつき離し8回には止めのツーランで試合を打って14-4という凄まじい試合をした。
ピッチャーは13奪三振をとったものの、いまいちな内容だった。
しかし、守備もなかなかのものだし打線も強力だし、もしかしたら優勝候補に名乗りをあげるかも知れない。
好投手と言われていた横山投手から14点も取れるんだからしかも得点をあげたのは全て長打でツーラン2本とホームランを二本も打つんだから素晴らしいチームだと思う。
先週の金曜日に金曜ロードショーでマリと子犬の物語という映画を観た。実話をもとに映画化した感動作で、犬のマリと子供達の心の交流がよく描かれていた。
内容に入るが主人公は山古志村に住んでいる小学生で役場で働くお父さんとりょうたとあやと農業を営むお祖父さんの四人暮らしの家族で、お母さんはりょうたとあやを産んでから死んでしまってもういない。
りょうたとあやは豊かな自然に囲まれてすくすくと育っていたある日のこと、りょうたとあやは遊んでいる時に捨てられた一匹の子犬と出会った。
二人で一緒に遊んだあと、りょうたとあやが家に帰ろうとすると子犬もなついて後からついてきた、なんとか追い払おうとしたり急いで走っても、やっぱり後からついてくる。
あやとりょうたは子犬が可愛くなってなんとか家で飼いたいのだがお父さんが大の犬嫌いでとても家で飼えないので仕方なしに近くの空き地でお父さんに内緒で飼うことにした。
そこで作戦を立てて祭の日におじいさんを子犬の所へ連れて行ってこの子犬が欲しいとねだり、おじいさんもりょうたとあやの好きなものをなんでもあげると、約束したから仕方なしに家に子犬を連れて帰った。
お父さんは、大の犬嫌いで反対したが、多数決で押し切られあきらめて家で子犬を飼うことを認めた。子犬の名前はマリと名付けられた。りょうたとあやと家族達に育てられてマリはすくすくと育ち、そのうち成犬になって母親になった。
家族とマリは幸せに暮していたが、ある日の夜に大災害に見舞われた。あの新潟県の中越地震だ。マリは異変に気がついて吠えて家族に知らせていたのだが、だれも気にもとめなくて地震にあってしまった。りょうたは避難所に着いたが、あやとおじいさんは家が倒壊して生き埋めにされてしまった。
必死に家族を助けようと頑張るがどうしようもない、そこに自衛隊の偵察兵がやってくる。必死に助けを求め、一人の兵は相手にしてくれなかったが隊長は主人を助けてくれというサインだとわかり家が倒壊現場に駆けつけて、あやとおじいさんを助けてくれたが、おじいさんは怪我の具合が悪く急いで病院に搬送しなければならない状態だった。
それに、気流が安定せず長くはヘリコプターの位置を維持できない状態だった。そこで着陸はせずに、おじいさんとあやとおじいさんをヘリコプターに吊り上げて助けてくれたが、マリと子犬達は置き去りにせざるをえなかった。あやは泣いて嫌がったが隊長に説得されて諦めた。
それから、マリは生きるためにカラスと食料を奪い合ったり大変な苦労をした。
りょうたは、ある日にマリを助けにいくことを決意する。あやも一緒についてきた、しかし、道は土砂に埋まって全村避難せざるを得ない状態だから進めるわけもなく、途中であやが熱を出して困っているところに、二人を捜しに来たお父さんに引き止められ説得されてマリを助けにいくことを諦める。
それから数ヶ月経ったある日、一時帰宅できるようになった時にお父さんと、りょうたとあやは山古志村に帰ってマリと子犬たちを捜した、なかなか見つからなくてもう駄目かと思った時にまず子犬がそれからマリが出てきた時は感動した。
この演出がなかなかよかった。それに山古志村の風物詩である牛の角突きによる闘牛や山古志村の美しい自然など見所もたくさんあった。日本の映画でこんなに感動したのは初めてだ。